Yunnan -雲南- 2014

広島市にある築40年の賃貸アパートの改修工事です。設計施工。
今回はユニットバス工事、配管設備工事、分電盤設置工事以外は全てほぼ1人で完成させた。
リビング掃出しの前面に駐車場があるという立地から視覚的に窓を開放しにくい状況の中、広島特有の西日対策、また通風問題を含め、前庭箱庭を造ることで一挙に解決し、視覚的に空間を広げることを設計の一番の目的とした。

今回はかなり自由度の高い現場であったため、簡単な1/100の平面図があるのみで、デザイン自体はほぼアドリブで進めていった。

最初に置き場にあった竹を使うことにして、そこから派生する物語にただ身を任せて(物事の必然性と偶然性に思いをはせながら)、イメージや素材感、ディテールのアイディアを膨らませていくというある意味理想的な手法をとった。
壁は全面左官漆喰塗り、床は杉板25mm破風板をフローリングとして使用、天井は麻布目透し張り(植木用根巻布)。造作材はぼぼ集成材だが、かなりアーシィなカラーリングになった。

真白な漆喰の壁面に画竜点睛の一発で、かつて自分が1999年に雲南省大理市で山岳少数民族から購入した藍染めのバティックを掛けた。天井仕上げが麻布であることから麻柄の模様が映えると思う。工事同時期に茶っ葉を焙煎する焙炉も作っていたこともあり茶の原産地である雲南を回想し、あるいはバンブー感満載の今回の現場の名前は-Yunnan-としたい。

竹細工をしてくれた清土さん。左官補助をしていただいた左官工の瀬良氏には感謝したい。ついでにボード屋の天野君にも感謝。

以上